このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(70文字)
ロアロム校長が子供たちを守ろうとする姿に、肩入れしてしまいました。あれだけ強気だった人が傷ついて落ちていくのは、見ていられないです。だからブラッドが間に合った時は、よし!と声が出そうでした。ルルミンの好きな「足が速い人」が、ここでこんなに頼もしくなるんですね。校長の「私が目が覚めればこっちの勝ち」という言葉も大好きです。まだ全然安心できる状況じゃないけれど、あの人なら本当にやってくれそうなんです。
本作で興味深いのは、嘘をつけない世界なのに、登場人物たちの言葉を素直には信じられないこと。敵の言葉から意図を読み、命を懸けて相手を欺き、愛しているという真実そのものも悲劇を生む。嘘と真実の境界を逆転させた設定が、ミステリ要素として効いています。