これはハニートラップか、いや違うのか――と疑いながら読み進めることに本作の楽しみがあります。酒、会話、知性、沈黙の置き方まで最適化された絵里は、まさに「カメレオン」という呼び名にふさわしい、のか――或いはそうではないのか。結末は読者のみぞ知る、という結末の予想不可能さがまた魅力の作品です。