正午のランチタイムなのに客がゼロ、運転資金も底をつきそうという、胃が痛くなるような現実の描写が非常に丁寧です。
読者はタイトルで「こいつは前世が凶悪なドラゴンで、今後はドラゴンスレイヤーを回収する」と知っているため、カウンターに頬をくっつけて「やる気無し男ちゃん」になっている主人公の情けない姿とのギャップに、思わずクスリとさせられます。
一階が店舗で上が居住スペースの「店舗付き注文住宅」を借金で建てた、というサラリーマンの夢と挫折のディテールが生々しいです。
この「ただの一般人としての苦労」がしっかり描かれているからこそ、今後前世のドラゴンの力や記憶が覚醒したときのカタルシスが倍増する仕掛けになっています。