最後に明かされる颯太の「嘘」
小さな嘘なのに、あれで前半の会話が一気に違って見えてきて、春香と一緒にいるために「好き」と言っていたのだと思うと、じわっと来ました。
喫茶店での再会は静かですが、その中に進学、退学、介護、音楽を続けられなかったことなど、それぞれの事情が少しずつ滲んでいて、二人が同じ地元にいながらもう別の場所を見ている感じがよくにじみ出ていました。
そのうえで、春香の「また帰ってきたらベースを聞かせて」と語るのがじわっと来ます。
大きな言葉ではないのに、颯太にとっての未来や希望がそこに残る感じがしました。
桜もまだ満開ではなく、二人の関係も途中のままですが、だからこそこの終わり方が合っていた気がします。
切ないのに、完全に途切れた感じではなく、ちゃんと先を思わせる余韻がありました。