幼い頃に夢中になったアニメやゲームの記憶が、そのまま作者さんの創作の原点につながっていることが伝わってくる、明るくて素直なエッセイでした。
セーラームーン、おジャ魔女どれみ、ぴちぴちピッチ、銀魂、REBORN!、どうぶつの森など、次々に出てくる作品名から、当時どれほど夢中になっていたのかが伝わってきます。ただ好きだったものを並べているだけではなく、「空想の世界に入りたい」「アニメのように没入できる文章を書きたい」という思いに自然につながっていくところが、とても印象的でした。
特に、ぴちぴちピッチへの愛情や、セーラームーンの切ない恋愛描写への思い出には、子どもの頃に作品へ全力で心を預けていた人ならではのまっすぐさがあります。その憧れや感動が、今の小説を書く力になっているのだと思うと、読んでいて温かい気持ちになりました。
好きなものを好きだと言えること。憧れを創作の出発点として大切にしていること。
その前向きさが、このエッセイの一番の魅力だと思います。
作者さんがこれからどんな「没入できる物語」を書いていくのか、応援したくなる一作でした。