ベートーヴェンの『交響曲第5番』いわゆる『運命』を、説明するのではなく、ひとつの物語へと翻訳した詩篇です。
いや、何が面白いって、先ずそのコンセプトが斬新でした。
扉を叩く音から始まり、安寧への追憶、自由を求める闘争、その果てに見いだす光へ。四つの楽章が、一人の愚者の精神と人生を辿る四幕として見事に組み直されている気がします。
タロットを思わせる象徴も、愚者の歩む道を暗示していて雰囲気が出ています。
短いのでさくっと読めるのも良いですし、実際に『運命』を聞きながら、さらっと読んでみるのも良いかもしれません。