主人公カリーナには、とにかく幸せになってほしい。第一部の序盤や第二部の後半を除けば、物語が始まってから大体ろくな扱いを受けていません。世界の敵を宿している以上、彼女を恐れ、迫害する側も悪くはないとは言え。カリーナ自身は、徹頭徹尾、まったくもって非がないのに迫害されるてます
それなのに、受けた仕打ちをほとんど恨まず、ろくでもない周囲の人々のために戦えてしまう。痛みを与えられれば相手を恨み、同じ痛みを返したくなるのが自然なのに、彼女はその摂理から離れたところにいる。恨む理由も、見捨てる理由も十分にあるはずなのに、それでも誰かのために戦えるところにこそ、勇者の精神を感じます。
だからこそ、その境遇が哀れで、幸福を願わずにはいられません。ここから先もろくな目に遭わないんだろうな、という雰囲気が作品全体から漂っていて、先を読むのが楽しみでありながら怖くもあるけれども。それでも、この物語は最後にはハッピーエンドに辿り着いてくれる、という信頼があります。誰かのために戦う彼女自身が、ちゃんと幸せになれる結末を強く望んでいます。