この設定、まさに「とりかえばや」な平安の雅さが。
顔に大きな痣を持って生まれてしまった朔の君は、その素性を隠すために「女性」として育てられることになる。
そんな彼を女性だと思って「文」を送って来る男たち。姿が見えず、声も聞こえないがために彼が男性だとわかることは平安の世の中ではそうそうない。
でも、文を通して心が通じ合う。性別がわからなくても、そこに込められた想いは本物で、朔の君もそんな文をくれた柳の中将を憎からず思うことになる。
「とりかえばや」だからこそ、男性から懸想されることになる男性という設定。平安の有名な設定が、そのままBLな展開になっていく展開が秀逸でした。
「とりかえばや」をしなければ、お互いにどのような形で巡り合ったのか。それとも、姿が見えていたら見えていたで、やはり惹かれ合ったのか。そんな数奇を感じさせられる、平安恋愛物語でした。
今をときめく左大臣家に待望の男の子が生まれた。しかし美しい顔の右半分には赤い痣があり、陰陽師に両親以外に顔を見せると不幸になると言われて、泣く泣く女君として育てることになった。女房の前でも顔を隠していることから「朔の君」と呼ばれ、年頃になり公達から恋文が届くようになったが――。
平安絵巻です。
姫君として育てられた男君、心も清らかで美しいです。お相手の柳の中将も一途で恋に慣れてないのが素敵です。
とても雅やかな風情が素敵です。
読んでいると様子が脳裏に映像で浮かび上がります。
BLですが、苦手な方も読めるんじゃないかなと思います!
これからの幸せを予感させて素敵な終わりを迎えています。このまま何事もなく幸せであれと願わずにはいられません。
ぜひまた、作者様の平安絵巻が読みたいと思いました。
オススメします!ぜひ!