同一あらすじ、同一登場人物、同一タイトルで書いてみる。そんな自主企画向けの作品であることを念頭に置いたとき、短時間でこのように書き上げる方はなかなかいないのではないでしょうか。少なくともあの自主企画のレギュレーションを読んで、こういう方向に仕上げようとは、私は思いもしませんでした。
発想をどこまでのびやかに広げることができるか。展開をどこまで深く掘り下げることができるか。制限があるからこそ力量が問われる。そんな企画に真正面から斬り込んだ本作は、正直脱帽です。
ここにあるのは、創作への飽くなき情熱と、臨界点まで昇華した制限。
構想力とそれを仕上げる力量があれば、どうとでも作品にしてみせる。そんな作者の意気込みを感じる作品です。