もうすぐ中学生になることで、環境や人間関係の変化に不安を感じる紬。
その不安から、更なる悲しい出来事を引き起こしてしまうのですが、そんな彼女が辿り着いたのは、不思議な時計塔の中。
そこで紬はある出会いを果たすのですが……
本作を読んで感じたのは、人と人との繋がりでした。
親友と離れ離れになる不安。一度関係がリセットされた相手と再びどうやって繋がるか。
さらに、そういった縁を繋くことや途切れさせないぐことも大事ですが、それと同じくらい重要なのが、縁の切り方。
全ての人と良い関係を結べるのならその方がいいかもしれない。けどそうでないなら、繋がることで苦しい思いをするなら、それを断つことだって時には必要。けど人の心というのは複雑ですから、いくら苦しい繋がりでも、それを切ることは簡単ではないのですよね。
そうかと思えば、自分の意思とは関係なく途切れてしまう縁もある。ただし、それだって強い思いがあれば、途切れた縁を再び結ぶこともできるはず。
不思議な出会いと悩みの果てに、誰と繋がり、誰と離れるか。
どうか見届けて見てください。
もうすぐ中学生になる女の子、紬は、憂鬱な気持ちで学校見学をしていた。
中学生になったら、親友と離ればなれになる。
新しい友達ができるかも分からずに、不安な気持ちになる紬。
しかし現実は、思っていた以上に苦しいもの。
未来への不安から親友とケンカして、学校で孤立してしまいます。
先の見えない不安に押し潰されてしまいそうになることってありますけど、その上今まで仲の良かった友達まで離れていってしまい、辛い学校生活を送る紬。
そんな彼女がふと足を運んだのは、街にある時計塔。
『未来に不安を抱いてる者が現れる時、この時計塔の真の力が発揮される』、そんな不思議な噂のある時計塔で紬が出会ったのは、築という名の少年。
噂のこともあって、ミステリアスな雰囲気が漂う男の子。
どん底にいた紬に、何かがはじまったような予感がしました。
ジャンルは現代ファンタジーですけど、不思議なSFにも近いかもしれません。
未来に不安を抱えることって誰もがありますけど、悪いことばかりじゃないかもしれない。
悲しい気持ちに共感できて、だけど希望も与えてくれる、少し不思議な出会いと成長の物語です。