SF定番の問いを、少女の純粋な生理的な嫌悪感から描き出しているのがお見事でした。家庭内の小さな違和感から始まるのに、読み進めるうちに問題が社会全体へ広がっていく構成が巧いです。特に、技術そのものより「もう手遅れかもしれない社会」の不気味さが強く残ります。説明しすぎず、不穏さを残して終えるところも良く、短いながら良い意味で後味の悪いSFとして楽しませていただきました。
これは衝撃的な作品です。そして、「絶対無い」「起き得ない」とは決して言い切れない、そんなお話です。肉親がもし、中身が違っていたら…それでも肉親と言えるのか…とても際どい問いかけを投げかけています。