ラブコメのジャンルを越えて、どこにも収まり切れない恋愛コメディ・青春ものです。登場人物たちの恋愛感情も、どこにも収まり切れずに、そっと隠したり苦悩したり。その悩みが救われる方向に物語は動くので、重くなり過ぎません。しかも、じれ恋描写がうまい。ドキドキしながら読み進んでしまいます。
華蓮ちゃんというキャラの魅力が一気に立ち上がってくるのがすごいです。口は悪い、素直じゃない、でも傷つくとちゃんと痛い。その等身大の感情があるからこそ、御珠のまっすぐな言葉や行動が胸に刺さる。反発、憧れ、悔しさ、救われた記憶――その全部が混ざって“好き”に変わっていく流れがとても丁寧で、一気に引き込まれました。ぼのぼのした高校生活の入口なのに、感情の熱量はしっかり濃い。華蓮ちゃん視点だからこそ見える物語の温度がたまらない一作です。