クラスでなぜか避けられ、息の詰まるような毎日を送っている主人公の佐伯蓮。
誰からも触れられない存在として扱われる教室の空気に耐えきれず、彼は逃げるように非常階段を上り、屋上へと通じる扉を開けます。
眩しい光の中で彼が出会ったのは、心地よい風に吹かれてまどろむ金髪の少女・凛でした。
「そのおべんと、ちょっとくれるなら、居ていいよ」。
彼女の飾らない言葉と無邪気な笑顔に、蓮の冷え切っていた日常は少しずつ温もりを取り戻し始めます。
カクヨムで数々の青春小説を読み込んできたヘビーユーザーにこそ、本作の持つ繊細な「温度感」をぜひ味わっていただきたいです!
周囲から孤立する蓮の閉塞感やヒリヒリとした痛みの描写が非常にリアルだからこそ、屋上の扉を開けた瞬間に吹き抜ける風や、凛のあっけらかんとした明るさが、読者の心にも鮮やかな救いとなって響きます。
自分の作った弁当を美味しそうに頬張る凛の姿に思わず笑みをこぼし、「明日も作ってくる」と約束を交わす蓮の心情変化がとても丁寧に描かれており、読み終えた後はタイトルの通り“ひだまり”にいるように心がポカポカと温かくなります。
不器用な二人が織りなす、日常の片隅の小さなオアシスのような物語。
王道ながらも深く胸を打つ、極上の青春ボーイミーツガールです!