自分の葬式を客観視する幽霊――そんな奇妙な幕開けから、物語は昭和のノスタルジーと底知れぬオカルトの世界へと読者を一気に引き込みます!
本作の最大の魅力は、なんといっても飄々とした得体の知れない祓い屋・雪邦と、冷静で皮肉屋でありながらどこか憎めない「名無し」の幽霊によるテンポの良い会話劇。
そこに狐の妖怪・柘榴のクールな相の手が加わることで、キャラクターたちにぐっと愛着が湧いてきます。
一人称の軽快な語り口で進む一方で、中盤で明かされる「叙述トリック」の鮮やかさには思わず息を呑むはず。文章の端々に散りばめられた伏線が繋がり、「自分は何者なのか」という根源的な問いへ収束していく構成は見事の一言です。
生と死の境界で紡がれる、笑いと不穏が絶妙に交錯するこの物語。一度ページを開けば、彼らの奇妙な身辺調査の行方から目が離せなくなること間違いなしですよ!