不思議でちょっと怖くて面白いです。
現実世界とは時間の流れが違うレンタルルーム。
想像力で部屋が出来上がり、部屋の中のものは持ち出せない。
ルールさえ気をつければ素晴らしい使い方ができる部屋です。
さて、そんな魔法の部屋、それぞれの客はどのように使うのでしょうか。
1話目で語りかけられると、客になれるような気がします。
2話目からはレンタルルームを使用する客視点で語られる形となり、短編集とも群像劇とも言える話になります。
使用料金が中の時間か現実の時間か気になったのですが、中での時間は確実に進んでいて歳を取ることにゾッとしました。
何日、何年いれば満足するのか、その孤独な部屋に依存しないのか、個々の使い方や向き合い方が違って興味も尽きず、面白いです。
人間ドラマとしても、現代ファンタジーとしても楽しめる話です。
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魔法のレンタルルームと言われたら、どんな空間をイメージしますか?
こちらの物語は利用者の望むままの空間を提供してくれます。しかもお値段も良心的で、利用時間もきっと大満足。
こういった望みのままのものを提供してくれる系のお話は、欲を出しすぎて破滅することも多いかと思います。しかしこちらの物語では、ほんのり苦くはあるものの学びや救いを感じ取れます。まさに不思議体験をいう感じですね。
個人的には利用のきっかけとなる広告の謳い文句が的確過ぎて、一体いつからターゲットとされているのかと考えるとほんのり怖い。
物語は利用者ごとに完結していて、各回の満足感もあり読み進めやすいです。
「集中したい」「会いたい」「勝ちたい」
誰もが一度は抱く願いを、魔法のレンタルルームは完璧な形で叶えてくれる。
時間の流れが歪んだ密室で得られるものははたして……
各話ごとに異なる利用者の人生が描かれ、一話ごとに異なる切り口ながら、欲望の種類によって結末の温度も変わっていきつつも、通底するテーマが明確で読み応えがありました。
利用者の成功や満足が、必ずしも救いにならない点も印象的で、連作短編としてテンポよく読めました。
簡単に言うと某精神と時の部屋であれこれする話で、こういうのは大体、某セールスマンの様に、バッドエンドが多い印象ですが、少しは希望が持てる終わり方なのも、個人的には好きです。