これは面白かったです。
主人公の彼女は、自分を、きらびやかな幼馴染の影に隠れた『負けキャラ』だと思い込んでいます。それどころか、いつもニコニコ笑っていることで、ついたあだ名が『妖怪笑い女』。
そんな彼女のもとに届いた、かつての『勝ちキャラ』からの結婚式の招待状。ここからが中心のストーリーです。
かつての嫌な思い出を胸の奥にしまい込んで、大人のマナーとしてスピーチを大成功させる主人公。本当は嫌味の一つも言いたかったはず。オトナですね。
華やかな式の喧騒から離れ、トボトボと一人で帰路につく彼女の背中に、声をかける男。振り返るとそこにいたのは…。
一見すると、どこにでもある日常のひとコマ。だけど、不器用な人間たちが織りなす心の機微が、実に見事に、丁寧に描かれている名作です。