第35話 東南合併国ライン跡地-⑦
[東南戦争にて起こる出来事…それは歴史にこう刻まれる。
東昂事変……
それは怒りと悲しみに包まれ、無慈悲で一方的なもの。それがこの戦いの終着点となる。]
バッシはユイガ様の攻撃で片腕は欠損し全身に火傷を負っていた。恐らくだけど骨も少なからず折れてるはず……!今が倒す好機!
「
バッシは斬撃のようなものを飛ばしてくる。私はそれを
「リン様…それは一体…?魔法を今使うのは困難です。それなのに……。」
コウ様が疑問にあふれた表情をしていた。
「それさぁ、俺にも教えてくれよ。」
バッシはコウ様の問いかけに合わせ聞く。
「それならもう一度見せてあげるので、よく見ておいてくださいっ…よっ!!」
私は指を思いっきり弾いた。すると見えない攻撃が飛びバッシを吹き飛ばす。
「ゴホッ!ドゥへッ!」
バッシは吹き飛ばされ、血を吐いていた。私はその隙に、この攻撃の正体をコウ様に言う。
「魔力です。魔力を体内でこね、凝縮し、発射します。」
「そんな事ができるんですか?!そんな事前例が一つも……」
コウ様は困惑した様子だった。
「理論上はいけるのか……でも、そんなの抜群なセンスと神業級の応用力がないとできないんじゃ……。」
今だに困惑しているコウ様に私は笑顔で言い換えした。
「それはそれは、ありがとうございますっ!」
「なるほどねぇ。そんな濃厚な逸材が……フフフ。」
今にも倒れそうなバッシは素敵な笑みを浮かべながら近づいた。
「リン様!!」
コウ様に背中を押された。何事かとすぐに後ろを振り向くと、私の背中を押したコウ様の右腕が綺麗に切断され、ボトボトと落ちていった。
「流石に痛たいな……。」
コウ様の右腕から大量の血が零れ落ちていく。
「え?なんで…?嘘っでしょ……?!」
私は手の震えが止まらなかった。どんどん心拍数が増えていくのが分かった。今、私の耳には荒い呼吸と心臓の音しか聞こえなかった。
「リン様、あいつの加護は……糸…です。リン様の話を聞かれていたのもここ一帯に張り巡らされていた。糸の振動を感知していたのでしょう………。あーそれと、私のことは気にしないでください。私は戦闘ダメなんでほっといてください。今は……今はアイツを……!ぶっ飛ばすことだけに集中してくださいっ!」
コウ様は話すたびに息が荒くなっていった。
「せ、せめて!止血は私が!だって!あなたが死んでは!」
コウ様は左手を私の手に添えた。
「いいと、気にするなと言いましたよね。大丈夫です死にませんよ、そんくらいじゃ。
イースト第二王子兼護衛騎士団第二支部長〈軍師〉コウ・イースト
彼の素性は一部の人間しか知らない。
「兄様。絶対助けますから。」
「えぇ?王子だったのぉ?すんごい兄妹愛。濃厚じゃないか。」
バッシがユイガ様の攻撃を耐えきった理由。それは恐らく、糸によるもの糸の太さも変えれるとすれば容易。できなくても、多くの糸を操れば容易。
つまり…バッシの耐久を超すのは大変……!兄様のことも考慮に入れると、全力で溜めて……放つ!!全魔力をかけて、潰すしかない!
「あれ、無視?それはあまり濃厚ではないかな〜。」
「あなたに私たちの関係をどうこう言われるのは超絶不快です!」
私は人差し指と中指を立ててバッシに向けた。時間がもう少しないと溜まりきらない……。
「また、魔力ねー。すんごいの撃ってきなよ。防いだ後に潰すからぁ゙!!ん?あれぇ…?撃ってこないの?そうか全部かけて撃つってことか。じゃあその前に潰す。」
まずい……このまま撃つしかないの……?
「オラァァァ!!」
「ブヘェ゙ェ゙!!」
兄様がバッシに拳を入れた。バッシはそこそこ吹き飛ばされた。
「何でそんな無理を!!」
「仇討ちするって、言ったから……!」
兄様は先程よりも汗の量が増えていた。苦しいはずなのにとても清々しい笑顔だった。
「ありがとうございますっ…!」
私は満面の笑みで言った。
「泥臭い……面倒臭い……が、それこそ濃ッ!!厚ッだっ!!!フィールドはこちらのものなんだ勝利は貰う!!」
「
全魔力が全身を駆け巡ったからか見えていなかった細い糸が見えた。
「エミット。」
私は直感で唱えた。すると眩い白い光が視界を埋め尽くしていく。
「ガァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!!」
先程までバッシの叫び声が聞こえていたのに光が消え去った後姿はなかった。
イースト護衛騎士団第二支部長〈天才軍師〉コウ&第三王女スターリン・イーストVS〈難南〉総隊長バッシ・カイシ
勝者、コウ&スターリン・イースト
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