タイトル「ロック・メッセージ」の意味は、読み終えてから変わります。最初に思い浮かべた「ロック」と、最後のページで気づく「ロック」が別物になる。その二重性が、作品全体の構造と重なっていて、読後に静かに効いてきます。
もう一つ、この作品には「読者に委ねる」場面があります。ネタバレになるので具体的には書きませんが、ある一瞬、作者が意図的に言葉を置かない。そこで自分の中に何が浮かぶかが、そのままこの作品の体験になります。
感情を直接語らないのに、最後まで手が止まらない。抑制された文章が、かえって深く刺してくる作品でした。