森でひとり暮らす男・パラケルスス。奇妙な生物と畑を耕す、どこか穏やかな日常から物語は始まる。しかしその内面は常識から大きく逸脱している。畑を荒らしたゴブリンを“当然のように皆殺し”にし、子供すら例外ではない。しかもそこに迷いはなく、あくまで合理的な判断として処理されるのが不気味だ。さらに、捕らえたゴブリンを飼育しようとする描写が、倫理観のズレをより際立たせる。一見スローライフのようでいて、その実態は歪んだ研究者の観察記録。静けさと狂気が同居する、独特な導入になっている。