ストーリーを読むというより、「読んで体験する」心地になるお話だなと感じました。布に詳しくない私でも、「そうなんだ」「へぇ…!」と楽しく拝読できたのが印象的です。とくに手仕事の描写が細やかで、指先が重なるような没入感があり、物語の中に入り込むような感覚がありました。職人気質な視点が軸になっているからか、ストーリーラインはとても素直で、「大筋を追う」というより「自然と納得しながら読み進められる」読み味が心地よかったです。この“体験するような読書感覚”はとても魅力的で、印象に残る作品でした。