季節の移ろいとともに積み重なっていく花の記憶。
花束に憧れていた少女時代の心情、過去の恋と花にまつわる記憶、そして現在の家族との穏やかな日常。
それらの対比が極めて自然に、そしてとても丁寧に描かれているとても素敵なエッセイです。どの部分も印象的なのですが、特に印象深かったのは、「花を贈らない家族」の描写。
決して冷淡なのではなく、むしろ互いの距離が近いからこそ、特別な儀式を必要としない愛情の形もあるのだと。
「花を贈る愛情」と「日常を支える愛情」の違いが私にはとても印象的でした。
派手な出来事を描くのではなく、人生の中に静かに積み重なる感情のひだを「花」を通して美しく表現した作品であると感じました。
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