第18話 分からせる
それからしばらくたった。
もうすぐ夏休みに入りそうなとき動きはあった。
「来たな」
会長からのメッセージだ。
「今生徒会室で二人っきりなのだが雰囲気がよくない。彼は無理やりでも私を襲うかもしれない。助けてくれるのだろう?」
そんな内容だった。
「メスガキが」
絶対後悔させてやる。
「沙織、光頼んだ」
「うん!任せて準備はできてるよ!」
「こっちも準備オーケーだよ!」
「よし、じゃあ、開始だ」
そうして計画は始まった。
俺はすぐに生徒会室に行く。
中からは言い争う声が聞こえる。
それを聞きすぐに中に入る。
「会長大丈夫ですか!?」
中では会長が健也に押さえつけられていた。
周りの書類は散乱していて抵抗をしようとした跡があった。おそらく証拠作りだろう。
「な!?なんでここにいるんだ!?」
「ふふ、私が呼んだんだよ」
「な、俺をだましたのか!?」
「何のことだ?」
「お前が言ったんだ!もしいうことを聞けば好きに自分をしていいと!」
「そんな約束は知らないな?」
彼女は強く振る舞う。
だが、俺からすれば滑稽だった。
「ふ、はははは!」
俺は思わず笑ってしまう。
「な、何がおかしい」
「会長、これは何ですか?」
俺は録音機を見せる。
「な、それは確かに金庫にあったはず!?」
会長はすぐに金庫を開け確認する。
「ど、どういうことだ!?なぜ二つもある!?」
「さあ、何ででしょうね?」
「はめたのか!」
会長は叫ぶ。
なりふり構わない感じはまさに演技ではない。
「再生すればどちらが本物かわかるかもしれませんね?」
会長は俺を睨みながら録音機の再生ボタンを押す。
「ばーか」
ただ一言だけが録音してあった。
「くっ!?」
「さあ、次はこちらの番ですね?」
俺は再生ボタンを押す。
「もし君が私のいうことを聞いてくれるなら、私の体を好きにしていいぞ?」
「本当ですか?」
「ああ、君になら構わないよ」
「いいですよ。何でもいうことを聞きます」
「それは良かった。堂本君は断ってしまったからな」
「なおさら、いうことを聞かない選択肢はないです」
「素直な子は好きだよ」
そこで録音は終わっていた。
「貴方のことだ元の録音音声も残してると思いましたよ」
「な、何だよ!それは!俺は聞いてないぞ!?」
「ち、違う!それは私のものじゃない!」
「先程は自分のものだと言ってたじゃないですか」
「そ、そんなのは私が否定すれば……」
本当に滑稽だ。二人とも。
「会長、健也。この会話は学校中に流れている」
「「な!?」」
放送部に協力してもらいこの会話は放送されている。
「言い逃れはできませんよ?」
「き、君は私を救いたいのではなかったのか!?」
俺は手を強く握り会長に向けて視線を向ける。
「これは救いですよ」
「は?」
「会長、貴方は家の呪縛に囚われている。それは成功している限りは終わらない。なら!」
俺は机にあった書類を空中に投げ捨てる。
「全部破壊してやる」
会長は呆気に取られていた。
「健也には会長と一緒に反省してもらうぞ?」
「何を勝手に!?」
「言っておくが言い逃れはできないぞ?」
「ど、どういうことだよ?」
俺は金庫を指差す。
「会長はお前の悪行も記録してるはず」
「な、なんで!?」
「お前を利用するために万全の準備をしてたのさ」
「そ、そんな……」
健也は膝を地面につく。
やっと終わった。
これで健也との因縁も決着だな……
それから夏休みに入った。
その間のことは何も分からないが、聞くにどうも会長も健也も停学処分。
これでしばらくは大丈夫だなはずだ。
なのだが………
「慎也君♡」
会長が俺に抱きつくとこになるとは想定外。
「か、会長は俺に怒ってないんですか?」
「怒る?私を呪縛から解き放ちなおかつ分からせられたのだぞ?好きになる以外何がある!」
「は、はあ」
「ちょっと会長近いですよ!」
「そうだよ会長!」
沙織も光もご飯を作ってくれている。
二人は俺の一人暮らしを心配してきてくれているのだが、そこに会長が急に来て入り浸っているのだ。
しかし、そんな慎也が知らぬところで深い恨みが出来上がっていた。
「堂本!!」
パリン!
「健也やめて!」
机の上の皿を床に叩きつける。
「くそ!」
もはや人格に元健也も転生した健也もなかった。融合していた。
「このままでは終わらない!」
一つの恨みは決して消えない炎となり燃え上がる。熱はない。どこまで冷たい炎だ。
「すべてはあいつから始まった………あいつで終わらせてやる!」
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