序盤の目的がやや曖昧に感じられた一方で、退廃的な世界観と軽妙な会話のバランスが良く、独特の空気感に引き込まれる作品でした。会話のテンポが独特で、キャラ同士のノリは軽いのに、世界観にはしっかり血と暴力の匂いがある。そのギャップが作品の個性になっていると思います。特に台詞回しや固有名詞のセンスには作者らしさが感じられました。
ただ、主人公の目的や物語の到達点、世界観の輪郭などはやや曖昧で、少し雰囲気先行な印象もありました。また、キャラクターの台詞が全体的に決まりすぎている瞬間があり、会話というより演じているように感じる場面もありました。だからこそ、感情が剥き出しになるダサさや、感情によって会話が崩れる瞬間があると、より人間味が増す気がします。
個人的には、ヴィーナの持つ温度感がとても良かったです。