縛りありの3つの台詞。それが風俗という街で傷を持った男としての機能のさせ方が巧みだなと感じました。特に「繁華街の排水溝みたいな顔」これを言い放った女性は、風俗なりキャバなりの水商売の中で、酔いつぶれ排水溝に吐いて嫌悪した過去があるのだろうと想いを馳せることができる。あの汚さと情けなさをそのままぶちまけた。受け取り手にどう思われようが自分の最大限の侮辱だったんだろうな。トムフォードのユニセックスな香りが特徴なグラック・オーキッドの使い方も絶妙、最初と最後でその仕事に身を置くものの象徴として使われる。男としては包まれた香りに悪しき幼少期の記憶と嫌悪しか抱かないものかもしれないが、女としてはその仕事でユニセックスという点で男に配慮をした香りでもある。この交わることの無い男と女の立場の違いが香りだけでわかるのがいい。夜の埃立つ匂いを隠すような香水の香りが世界観にマッチしていて大変印象深い作品でした。