無自覚の過ちや、意図しない軽微な事件であっても、世間はすぐに白か黒かで裁こうとする。なぜそうなったのかという過程や背景は置き去りにされ、ただ責めるだけの空気がある。この作品は、その「見過ごされがちな間」に丁寧に光を当てています。人の心の揺れや事情に寄り添い、表面に現れた事象だけで判断しない視点が描かれています。起きた出来事をどう処理するかではなく、その根底に何があるのかを見つめようとする、そんな筆者の静かな思いが、読み終えたあとにじんわりと残る作品でした。