「バラの女」と呼ばれる捕食者に襲われ、兄を目前で惨殺されたツユクサ。
絶体絶命の瞬間に現れた謎の男カイによりかろうじて生き延びるも、その先に待っていたのは管理局が住民の命を吸い上げる「苗床の村」だった――。
このような冒頭で幕を開ける本作でまず魅力を感じたのは、官能的で退廃的な「美」と「残酷さ」の描写です。
絶望感と美しさのバランスがお見事で、物語にグッと引き込まれました。
キャラクター造形も素晴らしく、「捕食者」「管理局」「病魔」という脅威に晒される逃げ場のない状況の演出は、読んでいてゾクリとするものがありました。
歪んだ支配と依存、圧倒的な主従の緊張感を描くサスペンスも魅力的で、作者様の独特の世界観の広がりを楽しむことができます。
まだ物語の序盤を拝読したうえでの感想になりますが、この先どのような運命が待っているのか楽しみです。
そんな心地よい緊張感が広がるダークファンタジーの世界を、ぜひご堪能ください。