めちゃくちゃ読みやすかったです。能力モノなんですが、“血を流した瞬間だけ巻き戻る”って制約がかなり良い。便利能力じゃなく、毎回ちゃんと痛みと恐怖があるのが強いです。あと《諦めなさい》や屋上の影みたいな、“説明できない不穏さ”の置き方が上手い。先を読ませる力があります。神谷との軽口で空気を和らげつつ、じわじわ破綻へ近づいていく構成もかなり好みでした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(164文字)
タイムリープというのは大抵、未来をよりよく改変するために使おうとするものです。しかし読み進めていくと、蟻地獄から抜け出せなくなるように、どんどんドツボにハマっていくことになります。その絶望感は徹底的です。必ず「え、そこまでやっちゃうん?」と思ってしまう瞬間があるはず。希望が見えないタイムリープの繰り返し。その結末には、たどり着いた全員が胸を打たれることと思います。