朝起きて、何を食べようか考える。
買い物へ行けば値段に悩み、野菜を切り、家族に食べさせ、うまくゼリーが固まれば少し嬉しい。
それでも、今日のご飯が美味しいとか、散歩道がちょっと軽井沢に見えたとか、家族が帰ってきたとか、そういうものを拾い続けていると、人生というものは案外そこに全部あるのかもしれないという気になってくる。
世界を救わない。
巨大な謎も解かない。
大事件のない日常。
人生とはだいたい、ぶたである。
そして、それをあとから思い返したとき、たぶん「幸せ」と呼ぶのである。
なんとも平和で、なんとも愛おしい日常である。