このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(201文字)
本作は、塹壕戦の閉塞感と兵士たちの諦観を丁寧に描いた導入から、一転して「世界の成り立ち」へと物語を広げていく構成が非常に印象的です。現場の泥臭い会話と歴史的スケールの転換が巧みで、読者の関心を自然に次の章へと誘導してくれます。特に、エジュデル帝国の皇女という存在がどのように世界を変えていくのか、その“起点”としての描写が魅力的で、英雄譚でありながら不穏さも感じさせる点が秀逸です。戦争の理不尽さと神話的な壮大さが同居した、続きが気になる良質なプロローグだと感じました。