このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(307文字)
まず「神を科学的に観測した」という導入がめちゃくちゃ強いです。しかも“神がいた”じゃなく、“観測された”って言い回しなのが最高にSFしてる。アラタとユイも、思想の違いだけじゃなく“失いたくないもの”の違いで別れていく感じがかなり切ないです。特にユイの「誰も信じなくなったら神様ってどうなるんだろうね」、あの台詞が後から効いてくるタイプのやつでかなり好きでした。世界観は重いのに、二人の日常会話がちゃんと青春してるのも良いです。
神を「観測されたエネルギー」として描く発想がとても面白く、冒頭から強く惹き込まれました。信仰と科学が対立していく構図も分かりやすく、それぞれに納得感があるのが良いです。特に、神が人間の感情によって膨張するという設定はテーマ性が強く、物語の根幹になっていると感じました。日常パートでのユイとの会話も印象的で、後の展開を予感させる余韻があります。「神なき世界を創る」というラストの一文が非常に強く、続きが気になります。