自分でもどうして性癖が追加されたのか、明確に説明できない。
TS銀髪美少女転生 石田三成。
関ヶ原の敗北を背負った戦国官僚が、異世界で氷のような美貌と銀髪をまとって立ち上がる。
見た目は可憐。声は少女。「三奈」。中身は、布陣と兵数と補給を見て「噛み合っていない」と判断する五奉行である。
かわいい。
だが、かわいいの方向が、守ってあげたいではない。
かわいがりである。
ハラスメントである。
「計算が合わぬ」「根拠を述べよ」異世界をロジハラで駆け抜けていく。
もうこの時点で、いろいろおかしい。
「不死属性」も実にヤバい。四天王カツイエが「不死」を誇る。普通なら、どう殺すかが問題になるがロジハラで切り抜ける。
いかにもファンタジーの基礎である異世界の魔法体系に、いきなり論理を突きつける。三奈は、それを「甘え」と呼ぶ。
そして、勇者パーティもダンジョンも聖剣もロジハラの被害にあう。
かわいいのに、かわいげがない。
気づいたら、ハマっていた。
幼さを感じる銀髪美少女の外見に、逃げ場のない官僚ロジックと、敗軍の将の執念が同居しているのが、もうどうしようもなくドスケベである。
かわいい顔で、世界へ言う。
「計算が合わぬ。」
石田三成という戦国官僚のキャラクター性を、「合理性で異世界を粛清していく」という一点で押し切る発想が爽快だ。敵軍三万を「石高的にありえない」と一蹴し、不死属性を「粉飾決算」として扱う歴史的知識と異世界ファンタジーのお約束を、検地という行政手続きの語彙で接続する手際がレビューでも評価されている通り見事。
ロジカルハラスメントという現代的な言葉を戦国武将の口から出させるセンスも巧い。聖剣を「品質不良」で回収する、というツッコミの切れ味が、ただのギャグに終わらせない説得力を持っている。
異世界の「非合理」を一つずつ叩き潰していく様子が、痛快を超えてどこか恐ろしい。そのバランスがこの作品の持ち味だと思う。