タイトルや各話の見せ方はかなり賑やかですが、中身はちゃんと家族の話でした。
五歳児の理太郎が、母を「親父の嫁」、父を「溶接ゴリラ」と呼びながら、三崎の町や家族の日常をゲーム風に語っていく構成が楽しかったです。
鑑定、クエスト、スキルみたいな言葉遊びは派手ですが、根っこにあるのは母の強さや父の不器用な優しさ、町の人たちとの繋がりなんですよね。
特に、母の花代がただ強い人ではなく、ちゃんと地域に根を張って、人の面倒を見てきた人として描かれているところが良かったです。
父の晃も無口なのに、要所でちゃんと壁になってくれる。
この二人を五歳児目線で大げさに語ることで、家族のあたたかさが照れずに出ていたと思います。
コメディとして読みやすく、最後まで勢いもありました。
一方で、ただ笑わせるだけではなく、「この家が好きだ」という気持ちに着地するのがいいですね。
三崎の町、強すぎる母、無口な父、少し理屈っぽい五歳児。
にぎやかなのに、読後はちゃんと温かいホームドラマでした。