主人公が淡々としているようでいて、実はとても繊細な一面を抱えているところが印象的でした。上品で紅茶を淹れたくなる世界観。砂糖菓子のような脆さを見せながらも、登場人物たちの心情が段々と味わい深くなっていく描写も素敵です。親友を想う嘘と、婚約者を想う真実。彼らの想いを、紅茶と共に最後の一滴まで見届けたくなる物語でした。五感に響く、素敵な小説に出会えたことに感謝いたします。
一話完結なので、すぐ読めるのに、一冊読んだような満足感。情と切なさの混ざる余韻が続きます。絆という響きすら、ひどく薄っぺらに感じられるようなお話です。