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失われた余白

失われた余白

魚住 陸

おすすめレビュー

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★★★
★25
9人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 深谷ぼくたちん家
    159件の
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    ★★★ Excellent!!!

    魔法の救済ではなくインクの代償。純愛好き必見の交流譚!

     古本屋で見つけた詩集の隙間を埋めるため、
    マコトは硝子ペンを走らせる。
    透明な軸から滴る藍色のインクが紙に滲むと、
    名もなき住人からの細い文字が浮かび上がった。

    外界の景色を高解像度で観察し、文字を綴る彼の行動は、都合よく彼女を本から引き出す展開には繋がらない。
    言葉を交わすほどに残された領域は削り取られ、彼女の息遣いを確実に奪っていく。ページをめくるたび、視界の端から少しずつ光が剥がれ落ちる。
    窓の外を、季節外れの雪が通り過ぎた。
    与えられた奇跡での救済ではなく、限られた文字数で互いを刻み込む契約だ。

    研ぎ澄まされた熱を求める読者なら、最終ページの余白に必ず息を呑む。

    • 2026年4月4日 13:39