塔で一人、道が閉ざされる前に冬支度を始めようとする大人びた少年。
塔の前で怪我人を見つけ、自分は善人ではないと言い訳しつつ、助けるのだが──。
一人前の繕工としてかなりしっかり者でありながら、ちょっと寂しさを滲ませたりする少年と、彼の心を緩ませて家政夫にスカウトされてしまうワケ有りの怪我人の関係にほっこり。
少年の元に仕事の依頼に訪れた一行によって、にぎやかさが増すのですが、一旦は引き離した逃げられない過酷な運命も執拗に追いかけて来ていて──。
大陸を隔てたお家騒動や、由来のある武器などがうまく絡まって、短いのに凄く充実を感じる作品でした。
主人公のファーストインプレッションがかなり悪く感じました。
その後に死にかけの人間を助けようが、でもこいつ最初にすがってきた人間を訳も聞かずに見捨ててるしな......ってことが頭をよぎる。
難儀な性格してるって言ってるけど最初に見捨ててるじゃん、てなる。
気になることはその場で解決するって言ってましたが自分に必死にすがりついてくる人間は気にならないということなんですかね。冷たいですね。主人公が絶対の善人である必要はないと思いますが、たとえ悪人でもどこか好きになれる部分が必ずあるはずです。読者がこの主人公を好きになれる点はどこにあるのでしょうか?
私には分からなかったです。
描写や表現は良いと思います。語彙力が羨ましい。