このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(56文字)
病院の待合室。誰にでもありそうな、ただ名前を呼ばれるだけの瞬間。その日常の一コマから、主人公の現実が音もなく崩れ始めます。派手な怪異や露骨な恐怖演出ではなく、「自分の居場所が少しずつ失われていく怖さ」を描くのが非常に巧みです。静かで読みやすい文章なのに、不安だけがじわじわ積み上がっていく構成は見事。気づけば最後まで一気に読まされます。日常の中に潜む違和感系ホラーが好きな方に強くおすすめしたい一作です。