拝読させていただきました。
配信や順位という現代的な枠組みを借りつつも、描かれているのは現場の埃っぽさや、割り切れない損得勘定といった生々しい人間の泥臭さ。
都合のいい逆転劇で片付けず、理不尽な実力差や大人の利権に直面したときの無力感を、飾らない乾いた言葉で積み上げていく筆致に引き込まれました。
どれだけ打ちのめされても体面をかなぐり捨て、不格好に足を動かし続ける登場人物たちの迷いや意地には、嘘のない体温が宿っていました。
大戦争の果てに辿り着いた結末まで、痛みを誤魔化さずに描き切る誠実な手触りが、読み終えたあとも胸の奥に重厚な余韻を残す作品だと感じしました。