世界観の構築が丁寧で、「口示」という独自の超常能力システムが自然に物語へ溶け込んでいるのが印象的。 主人公・兵伍の人物造形も秀逸で、卓越した実力を持ちながら野心がなく、淡々とした気質の中にどこか温かみがある。その人柄がセリフや行動の端々からじわじわと伝わってくるので、説明過多にならず「こういう人間だ」と読者が自然と理解できる構成になっている。