表面はかなり賑やかな異種族交流配信だが、奥にある設定は重い。
魔族は人類より圧倒的に強力で、人類との均衡は条約や管理体制によってかろうじて保たれている。
その危うい関係の中で、ヤマトは配信を通して人類と、好意的な魔族との架け橋になろうとしている。
そして、その配信を観た人類側・魔族側それぞれの反応が掲示板に書き込まれることで、世界の輪郭が少しずつ浮かび上がっていく。
これは娯楽文化の肯定でもある。
本来なら人類をあっさり蹂躙できるほど強大な存在が、人間の営みや文化に興味を持ち、敬意を払う。
娯楽とは、良いものだ。
それを魔族にも、人類にも伝えるために、ヤマトは配信を続ける。
追記。
ずっと考えていたのですが、作者の陽海さんはハンターハンターの念能力で言うと、「伝えたい、届けたい」放出系と、「仕組みを成り立たせたい」操作系の中間かなと。
まず、掲示板の大量の書き込みで物語が進行するという情報の圧が凄い。これは明確に放出系の力に見えます。
そして、一見軽いやり取りの裏には綿密な世界観、設定がしっかりと組まれている。この世界がそうある必然を丁寧に作っている。
これは、操作系の力に見えます。
だから陽海さんが他者の作品を観るときも、「どんな仕組みなんだろう」というところに目がいく。
勝手な推測ですが、書かせて頂きました。