本作は、一度の挫折で筆を止めてしまった美術部部長・明葉と、彼女を真っ直ぐに想い続ける幼馴染・蘭、そして謎めいた実力者・唯都が織りなす、繊細な青春群像劇です。
特筆すべきは、絵画制作の息遣いを感じさせる圧倒的な描写力。キャンバスにぶちまけられる絵具の質感や、逆光に照らされる横顔の美しさが、読者の脳内に鮮明な映像を映し出します。
「自分を嫌いになっても、私が好きになってあげる」そんな蘭の言葉に救われる瞬間のカタルシスは必見。自分自身の「好き」を肯定できなくなったすべての人に贈りたい、再生と友情の物語です。