愛の代わりに妄執で築かれた狂った檻。そこから逃れたいという悲痛な願いは、檻の外から射してきた純粋な手と絡み合った。互いをもとめ、より確かに絡み合うふたつの想い。それは絡み合おうとも、決して溶けあうことはない……その残酷な結末の意味を知らないのは、片方か、それとも双方だったのか。ナイフのごとくに心にさくりと刺さる掌編。