第12話 待つ女と、その娘【続編】

『ほら、不倫中の婿殿、動かないと出ましたよ。現状維持です。離婚もしないし、不倫もやめないでしょう、当分は』

『ほな、娘は? 離婚したら、どうなる?』

『……傷つき敗れ、1人孤独な旅に出る。お孫さんの親権もとられちゃうかもしれませんね』

『娘が離婚しなかったら?』

『……歯と歯の間に何か挟まってモゴモゴいってる状態ですね。進路に障害があります。まあ、この障害というのは、婿殿の不倫問題でしょう』

『どっちにしてもアカンやんか』

『だから、どっちにしてもダメなんですよ。何か我慢しないといけないんです。離婚してサッパリしてお金の不安を抱いて生きるか? 離婚せずに婿殿をATMと割り切ってお金を選ぶか? もうハッピーエンドなんか無いんですよ。もし婿殿が不倫をやめても、もう家族の信頼関係が壊れてますから、不倫前の家族関係にはなりませんよ。きっとギスギスするでしょう』

『ほな……どうせならATMになってもらうのがええなぁ、やっぱり。娘には我慢させることになるけど、ATMが1番ええをやろなぁ。私なら、そうすると思うし』

『不倫相手の女性の家庭はどうなってるんですか?』

『不倫相手の女性が、旦那さんに離婚を迫ってるらしいけど、旦那がハンコを押さへんらしいわ』

『離婚されたら困るじゃないですか! 娘さんの婿殿も、不倫相手を受け止められないでしょう? 経済的に無理があるでしょうから』

『そうやねん』

『不倫相手の女性の子供は?』

『中3の女の子がいるんやけど、不良になって、毎晩夜遊びしてるらしいわ。やっぱり、母親が不倫しまくってるからやろうなぁ。その子もかわいそうなんやろうけど、うちの孫娘も中3で情緒不安定になってるからなぁ。子供に罪は無いんやけど』

『不倫相手の女性が離婚しないことを祈るしかないですね、離婚されたら、ますます状況が悪化しますよ。婿殿が責任をとらないといけなくなります』

『不倫相手の女性を占ってや』

『……当分、大丈夫ですね。今は不倫相手の女性の思うようにはいかないと出ました。離婚したくても、今はできないみたいです。不倫相手の旦那は離婚したくないんですねぇ、なんででしょう? 僕なら浮気した嫁とは別れますが』

『ほんま、どうしたら、ええんやろ?』

『ATMでしょう? もう、Aさんの結論は出てるじゃないですか。婿殿をATMにしてください。娘さんは感情を押し殺さないといけませんが』

『はあ、ハッピーエンドは無いんかぁ』

『壊れた絆はなかなか復旧できないですからね』

『婿殿が不倫を辞めても、確かに以前の家族関係にはならへんやろなぁ。娘には幸せになってほしかったのに』

『1つ、聞きたいことがあるんですけど』

『え? 何?』

『娘さんは、ちゃんと婿殿の夜の相手をしてたんですか? 満足させてたんですか?』

『それが……娘がしばらく拒否してたらしい』

『それじゃあ、婿殿も欲求不満になりますね』

『それは、あるかも……でも、更年期になると、拒む女性は多いんやで』

『いやいや、理由はどうあれ、夜の営みを拒まれ続けるのはツラいと思いますよ』

『もう、誰が悪いのか? わからなくなってきましたね。僕は占いで皆さんが幸せになれる道を探したいと思っているのですが。なんか、誰も悪くない気がしてきました。お孫さんと不倫相手の無は完全に被害者ですけどね』



 占い師は現在と未来を見ることで人に寄り添うことが出来ます。そして、みんなが幸せになる未来を探します。ですが、現在と未来が見えても、人を救えないことは多々あります。これが占い師の限界なのでしょうか? 悔しいです。




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