「世界は百年前に滅んだ」
その一文から始まる物語に、最初から引き込まれました。
失われた記録、失われた文化、そして誰も見たことのないシンクレティカ遺跡。
そんな世界の果てを目指す冒険者たちを、ヴェスティアの村でガイドとして支える少女ナズの視点が、とても新鮮で心地よいです。
彼女が冒険者たちと交わす短い会話や、ふとした瞬間に見せる表情の変化に、滅びた世界で生きる者の静かな強さと寂しさが感じられて、じんわりと心に染みます。
ナズは誰かを導きながら、自分自身も何か大切なものを探しているように見えて、それがこの物語に深い余韻を与えているように感じました。
「案内人」として誰かを導きながら、ナズ自身は何を探しているのだろう……そんな想像が、物語を進めるごとに膨らんでいきます。
ポストアポカリプスの傑作です。
静かな少女の目線で綴られる終末ファンタジー、全力でおすすめします。