ワニです。
夜のラーメン屋に出没ではなく、堂々と意志を持って登場します。
さらにしっかり貼り紙してある店のルールを破ります。ワニである上に、マナーも悪い
警戒の空気の中、緊急通報の画面を準備する者もあり、ワニの電話相手が繋がった時、店の空気が変わります。
どーんと奇妙なものをぶちこんで来るのに、奇妙に終わらせるわけではない、様相を一変させてくる面白い短編。
ワニと言ったら、残酷とかパニックとか思い浮かぶものなのに、それが逆作用して心を感動に動かしてくるところがなんとも。
感謝の言葉と結びつけているところも効いてます。
姿とかじゃなく、カッコいい心って良いよね、と思わせてくれる楽しい作品でした!
深夜営業のラーメン屋に現れたのは、一匹のワニ。店にいた者たちは動揺するなか、ワニは醤油ラーメンを注文する。緊張が広がるなか、その一挙手一投足に注目が集まる……。
直立歩行するワニが現れるなんて、どこか漫画的なシチュエーションを想像しがちになるが、描写はリアル。例えば、ワニの目が顔の横についているから、ビデオ通話するときに顔を傾けるなど、ファンタジーとリアルが違和感なく融合している。これはいわゆるマジック・リアリズムという手法だろう。
ワニという生き物を選んだ所がいい。ワニと言えば、大型の爬虫類で、とてもおっかない。がぶりとやられかねない。そんな存在だけに、後に展開される〝人間〟ドラマがじわりと聞いてくる。
ワニがおりなす騒動に、深夜集まった人たちの連帯感、孤独を癒やすような優しさに満ちあふれた一作。
深夜営業のラーメン屋。国道沿いの店には客も多い。
そこへ鰐がやってくる。
「醤油ラーメン」を食べに――。
あり得ない展開なんですが、そんな事気にならない筆力があります。気にせず読み進められる。何故、鰐がラーメン屋に?という疑問は、
鰐がスマホをかけることで氷解します。
客も店主も店員さんも、皆、良い人で読んでいて
気持ち良い。それぞれの描写がとても良く、そこが、このお話あり得るんじゃあ…という気持ちにさせてくれます。
そう、描写がとても上手いんです。
何故、鰐がラーメン屋に来たのかぜひ読んで見てください。
そして何故、ラーメンを食べるのかも――。
そこにあるのは、親愛。
とても素敵な物語です。
強くオススメします!ぜひ…!!