舞台は、とある高校の特別クラス「二年F組」。
在籍条件は、眉目秀麗、文武両道。そして、男の子が男の子を好きであること!
そんな特別なクラスへ手違いで転入することになった楓くん。男の子同士が仲睦まじく過ごす光景に戸惑いながらも、端正な顔立ちの天音くんのことが、なぜか頭から離れません。
最初はとある事情から“恋人役”を演じることになった二人。しかし、その距離は少しずつ縮まっていきます。
定期試験、体育祭、修学旅行。高校時代に誰もが経験するようなちょっとしたトラブル、隠していた秘密。そのひとつひとつを楓くんと天音くんが一緒に乗り越えてゆく様子が丁寧に描かれ、もう高校生ではない私には、その日々がまぶしく、淡く輝く宝物のように感じられました。
つまり、尊い…!
加えて作者の柊木さま、もしかしてコメディがお得意…!?
思わずニヤニヤしてしまう会話やシーンが散りばめられていて、読んでいて自然と笑顔になりました。そんなコミカルな空気も、本作の魅力だと思います。
そして、ラストで楓くんが選んだ答えには胸が温かくなり、余韻として残りました。
―― ああ、楓くん、本当によかった。
大切なひとに出会えたんだね。
この先もずっと一緒に歩んでいける人と、かけがえのない仲間たちに囲まれてどうか幸せな時間を重ねていってほしい。
そんな気持ちで読み終えた作品でした。
女性が好きと書いたはずなのに、男子同士の恋愛が当たり前のF組に入ってしまうという導入のインパクトがまず強いです。戸惑いながらも次第に環境を受け入れていく楓の心理描写が丁寧で、特殊な設定でありながら読者も一緒にその教室に放り込まれたような感覚で読み進められました。
恋人ごっことして始まった天音との関係が、ブレスレットや何気ない日常の積み重ねを通じて少しずつ本物に変わっていく過程は自然で、クールに見える天音のズレた可愛らしさとのギャップも魅力的です。56話という長さを使って、戸惑い・友情・嫉妬・告白と恋愛の段階を一つずつ丁寧に描いているからこそ、読み終えたときの満足感が大きい作品だと思います。
設定の特殊さに身構える読者も、楓の素直な心の動きに寄り添ううちに、ごく自然にこの世界を受け入れられるそんな丁寧な学園BLでした。
まず驚くべき設定は、男子同士の恋愛が当たり前のように存在する二年F組。
その中に主人公の楓が放り込まれることで、少しずつ物語が展開していきます。
当然ながら楓は戸惑うことになるも、時にユーモアタッチでつづられる描写はクスッとなることも多く、リラックスして読み進めることができました。
自分の気持ちと向き合っていく楓の姿勢は誠実で、作者様のお人柄が表れている印象を受けました。
模擬的な恋人の関係から、やがてが本心が動いていく流れはとてもナチュラルで、読み応え抜群。
まだ物の道理を知り得ていない年代だからこそ、不器用さが愛らしく映り、微笑ましい気持ちになりました。
BLラブコメにとどまることのない、誰もが抱えもつ心のあり方に迫る点は、特に本作の魅力と言えます。
まだ完読に至ってない段階でのレビューとなりますが、今後の関係性と展開がとても気になる爽やかで繊細な物語です。
この作品は、突然まったく知らない価値観のクラスに放り込まれた主人公が、戸惑いながらも少しずつ周囲を理解し、自分の気持ちにも向き合っていく過程が魅力の作品だと思います。
序盤は、女性が好きなはずの主人公・楓が、手違いで男子同士の恋愛が当たり前のように存在する二年F組に入ってしまうところから始まります。設定だけを見るとかなり特殊ですが、楓の混乱や心のツッコミが丁寧に描かれているため、読者も一緒にそのクラスへ放り込まれたような感覚で読み進められます。
特に印象的だったのは、楓が氷翠天音との距離に戸惑いながらも、お揃いのブレスレットをつけ合う場面です。恋人ごっことして始まった関係が、少しずつ本物の感情へ変わっていく空気が自然に伝わってきました。
また、天音が自分の抱えている事情を隠さず、楓に知ってほしいと向き合う場面にも、この作品らしい不器用な優しさが出ていると感じました。
単なるBL設定の学園ラブコメではなく、主人公が「自分はどう感じているのか」を一つずつ確かめていく物語でもあります。そのため、楓の戸惑いや順応を追っているうちに、自然と応援したくなってきます。
本作は後半の方まで拝読していますが、レビューとしては序盤十五話までの印象を中心に書かせていただきました。
明るさと甘さのある学園ラブコメでありながら、人物の心の動きが丁寧に描かれており、楓と天音の関係がこの先どう変わっていくのか、自然と追いかけたくなる作品だと思います。