本作の特徴は、周囲の善意を嫌悪し、わざと悪態をついて他人を困らせることに喜びを感じる屈折した少女・黒瀬澪の心理を緻密に描いた点だ。彼女のいびつな挑発が、生徒会長・花咲雪乃の無条件の優しさと圧倒的な包容力によってことごとく受け流され、逆に澪の心が激しく揺さぶられていく。人間の本質や同調圧力に対する冷徹な視線と、相容れない二人の張り詰めた関係性が生む独特の緊張感が魅力の人間ドラマである。
人間の内面の葛藤や、安易な綺麗事では終わらない重厚な対人関係の描写を好む人、屈折した主人公が絶対的な優しさに戸惑い、心をかき乱されていく繊細な心理ドラマをじっくりと味わいたい読者におすすめできる。
本作は、周囲から距離を置き「嫌われ者」として振る舞っていた主人公が、「生徒会長」と関わることで心を開き、女の子らしい可愛さを溢れさせていく王道ラブコメとなります。
そのタイトルの通りに「優しさが痛みに触れて解けていく」描写は、読み手の琴線に触れ、切なさと甘さが絶妙なバランスで調和した筆致となっています。
そして、「甘さ」としては、正反対な二人が紡ぐ、じれったくも純粋な恋愛描写に、相当な熱量をかけておられ、読者は胸のトキメキで悶絶すること間違いなし、です。
きっと作者様も、相当にラブコメがお好きだと感じます。
金髪を纏い周囲を拒絶する不器用な少女が、誰にでも優しい生徒会長の温もりに触れることで、閉ざした心と傷を少しずつ優しく溶かしていく、甘く切ない純愛救済ラブコメ。
不器用な恋の甘さにニヤニヤが止まらない、止めたくない方は、ぜひぜひお読みいただければと思います。
おすすめいたします。
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