あらすじを紹介することがとても苦手なのです。
ことに、このお話については。
だって。
このお話を読み終えたわたしの中に残っているものは、そうした骨組みではないから。そういう枠を、こんなおはなしですよという前置きを越えてきたなにか。それだけが、わたしにこの文章を書かせているから。
それでも、少しだけ触れておきましょう。
主人公が夫に陰惨な仕打ちを受けていることは作者さまご自身の紹介文にもあるとおり。そうして、そんな毎日に終わりを告げることになるのは、幼い日から想いを寄せてきたとあるひとの帰還。
和風シンデレラ、と、作者さまが銘打たれています。
そういう冒頭に思えます。たしかに。
そのつもりで臨んで、そのつもりで心を動かして、そうして。
動かされた先に待っているもの。
少しだけメタなことを書かせていただきます。
きっと、作者さま、わたしが尊敬する書き手さまでいらっしゃるその方は、きっとこのお話のなかにご自分を見ておられたような気がします。わたしたち読者になにかを伝えるよりもまず先に、ご自身を、詠うように刻まれたのではないかと感ぜられます。
その様子が、とてもとても、とっても。
気持ちいいよ、あなたもおいで、って、おっしゃっているように思えて。
花と想いの咲き乱れるなかを、作者さまのうしろについて歩かせていただきました。
そうして見えた世界から、ごめんなさい、わたしはまだ戻れていません。ふふ。
作者さまが置いた煉獄に、いまだ囚われながら書いているのです。
さあ、ほら。ね。
こちらへ。さあ。