女子高生のサナエが転移した先は、レオン伯爵が治めるオーバント神殿遺跡。
そこは満月の夜に日本とつながり、人や物が現れる場所というところが特徴的です。
その後サナエは、タクヤやミワ、セツコ先生やノボルといった個性的な日本人たちと出会い、さらに物語の面白さが増していきます。
仕える魔王軍は悪党ではなく、職務として真面目に世界統一を目指しているというところも魅力だと思います。
そんな物語は軽快な対話で彩られ、何度もクスッとさせられました。
多種族の共存も興味深く、「四天王」の選出を巡って種族ごとの対立や価値観の違いが浮き彫りになっていくのも読み応えがあります。
サナエの葛藤と成長を見守りながら、ぜひお楽しみください。
『ついに女子高生召喚に成功した』。
まず申し上げたいのは、この作品はタイトルだけで読者の関心を喚起する力を備えています。
「こんなタイトルで本当に成立するのか。」
多くの方が、そのような疑問を抱かれるでしょう。しかし、本作はその疑問に、物語そのもので応えています。
奇抜な発想だけに依存するのではなく、軽快なテンポ、絶妙な掛け合い、そして読者を飽きさせない展開によって、「続きを読みたい」という期待を積み重ねています。
私は、エンターテインメント作品において最も重要なのは、「読者を楽しませる」という一点に尽きると考えます。
その意味で、本作はタイトルのインパクトを入口としながら、中身でも読者をしっかり惹きつける構成になっています。
先入観だけで判断するとしたら、たいへん意地悪やなあ。
まずは一話、読んでみる。その上で評価していただきたい。
読み終えた頃には、「なるほど、このタイトルには意味があった」と感じられる方も少なくないでしょう。
発想力を武器に、最後まで勢いを失わず駆けて駆けて駆け抜き上げてまいります。そんなエネルギーに満ちた作品でした。