リンとユキの掛け合いが秀逸。
「リンお兄ちゃん!」と抱きついてくるユキを「クソガキ」と言いながらも右手を握らせてしまうリン。その不器用な関係性が、読者に押しつけがましくなく、じわりと温かさを伝えてくる。
セリフの間の取り方がうまく、二人のやりとりを読むだけでリズムに乗れる。
世界観の作り方も丁寧だ。死後に別の肉体で目覚めるという大きな謎を、主人公自身が感情的にではなく論理的に解体しようとする姿勢が物語に知的な緊張感を与えている。
エプスタイン島の話や逆探知の注意など、リアリティのある情報がさりげなく差し込まれ、荒唐無稽な設定に地に足のついた重みを加えている。