※あらすじまでの内容と感想を絡めています
行方不明になった恋人美月を探している中、不慮の事故により命を落とす涼翔
死後そんな彼の美月を想う気持ちの強さに興味を示した女神から、異世界に恋人の美月が召喚された事を知らされ美月を追うため、彼は女神と契約し、異世界へ「ゼクス」として転生する。
全ては、再会を果たし『美月』を護る強さを手に入れる為、彼は赤ん坊のころから血の滲むような努力を続ける中、白銀の髪を持つ幼馴染「セシル」と出逢う
ゼクスと日々過ごし関係を深めていく中セシルは彼へ想いを募らせていく、しかしセシルは彼の想いを知り自身の恋心に蓋をする
彼の努力を目の当たりにしてきたセシルはゼクスを
美月と再会出来るまで側で支える続ける事で彼との関係を維持し続けたのであった。
ゼクスが15歳となり王都の魔術学院に入学する事が決まり、美月の手がかりを求めセシルと共に王都へ向かう
15年かけて美月を発見した時「涼翔」に突きつけられた現実はあまりに残酷すぎるものだった。
『エドワード第一王子、卒業後に聖女ミヅキとの結婚を正式発表! 運命の出会いから一年。ついに二人が結ばれる!』
自身の想いを裏切られ絶望する涼翔
そんな彼の隣でセシルは……
(……傍にいられるだけでもいいと思ってた。けど、スーちゃんの想いはもう、絶対に叶わない)
彼女感情の蓋が外れる
失意の中、支えてくれるセシルの優しさに傾く涼翔
しかし涼翔は異常な程の献身を行うセシルの行為に込められた本心を涼翔は気付けない
彼女のゼクスに対する想いの重さをそして脆さを
美月の為に全てを捨てた男の信念が揺らいでいく
そして涼翔は知らない、何故美月が他の男の手を取ったのかを
彼女が味わった絶望を
彼女に突きつけられたこの世界で生き抜く為の選択を
涼翔は失意の中、自分を裏切り他の男の婚約者となった美月の異世界での幸せを願い、怨み
愛憎から「涼翔」の本心を殺し「ゼクス」として「嘘」をつき生きて行く事を決意する
全てが歪み狂っていく
すれ違い 裏切り 執着 執念 怒り 絶望
そしてそれぞれの本心と本音
気付かぬうちにすり替えられた己の意思
誰が悪かったのだろうか?
どうすれば良かったのだろうか?
そんな問いに意味はない
もう事は起こってしまったのだから
これは運命に引き裂かれ互いを裏切り裏切られ本心を伝える事が出来ない男女と籠絡する事でしか男を繋ぎ止められない哀しいもう1人の女の物語
彼らの出す答えに待っているものは結果だけ
そこに正しさや正解はない
そして涼翔が最後に下す決断とは……
「ええ、期待しているわ。……須藤 涼翔。あなたのその『愛』が、どこまで保つかしらね」
正しさとは?正解とは?そんな回答を求めてしまいたくなるような苦しい展開が物語を読む手を早めさせ
三者三様に、責められ同時に同情される立場でもあり三名の視点での進行は読者の物語へ視野の広さを拡張し「愛」とは何かという根源的な問いと涼翔の立場と状況での葛藤を思い知らされます
あれ程までに一途だった涼翔の信念が揺らいでいく過程、自身の問題だけではなくなる言い逃れの出来ない現実、取り巻く環境までもが彼を追い込んでいきます
問題が無くなったからといって全てが解決できる訳でないやり切れなさとあの頃にはもう戻れない事実
何故2人の距離はこんなにも近いのに
心の距離はこんなにも遠いのだろう
それぞれの愛はどこへ向かって走って行くのだろうか…
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